Rotten GEEK

ゲームや映画等の備忘録と趣味!!!!

「グランド・セフト・オート」に感性を形成されたという話



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【導入部】

私は小学校低学年からインターネットにどっぷりと浸かっていた。 IT世代の人間として時を過ごしてきた。

誰もが通る道と言える「おもしろフラッシュ倉庫」から始まり、学生向けの掲示板へと進出し、今も名を馳せる「Twitter」「ニコニコ動画」「5ch」などのコンテンツ(?)にも鼻たれ小僧だった頃から触れてきた(まぢで教育に悪いと思う)

 

ここらへんは本題ではないので詳細は省くが、そんな頃(2010年頃)からインターネットに触れていて、一体何を行っていたかと言うと、ある種の「ファン活動」だ。

私はマリオファン(兼任天堂ファン)と呼ばれる界隈の一員として、かつてネット上でなんかわちゃわちゃと色々していた。

 

しかし現在の私の興味は別の所にある 別にマリオや任天堂への興味が全く失せた、という訳ではなくある程度は残っているが、それもスマブラスプラトゥーン等、インターネットキモオタクの大多数が興味を示すものに迎合するに留まっている。

 

現在の私が主に興味を示すものは、「洋ゲー」「洋画」「音楽」「ミリタリー」エトセトラ(漫画などへの興味は以前からあったので割愛) そしてその中でも、過激なものであればあるほど好む傾向がある(危険人物の自己観察みたいだが他に表現が思いつかなかった。 派手だったりそんな感じのものが好きってことで…)

私はこの変化のきっかけ、大きなターニングポイントがあると確信する そしてそれこそが、まさにあのゲームとの辟易だ。

 

Grand Theft Auto

 

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(GTA VCの主人公トミー・ベルセッティ 開発者からもファンからも人気である)

 

【ここから本題】

GTA」「グラセフ」と言えば、誰もがどこかで聞いたことはあるだろう(特に男であれば)

強盗・暴力・殺人などの犯罪行為をメインとする「クライムアクションゲーム」の代表格で、世界的な売上・知名度といった名声も名高く、「最新作が発売された際、アメリカの犯罪率が一時的に低下した」という嘘か誠かわからぬ逸話まである。

 

だがその一方、「街を歩くNPCに対し暴力を振るい、殺害することが出来る」「窃盗・銃撃等の反社会的行動がゲームのメインファクターである」といった過激な内容から、各種メディアでも何度も現実での事件との関連性が指摘され、青少年の教育への悪影響云々といったアレな議論も古くから巻き起こってきた

勿論このゲームは18歳未満はプレイしてはいけない、ということになっているが、思春期の少年少女は「禁止されているモノ、過激なモノ」に惹かれるサガといえる 実際にPSP世代の元少年の多くは、GTAをプレイして育ってきたことだろう。

 

かく言う私も、中学生時代(恐らく中学一年生辺り)に、友人がPSPGTAをプレイしているところを傍から見ていたのが全ての始まりだ(多分そんな感じだったと思う) 

その友人は、おちゃらけた態度をとりつつ、ゲーム内で次々と人を車で轢いていた。平然と。

その光景に私はハチャメチャな衝撃を受けた 「こんなゲームが存在していいのか?」と思わされた。

 

少年期からインターネットに触れ、大量の黒歴史を作ってきたとはいえ、ある種の自己防衛本能で危険・過激なコンテンツからは身を引いていた私にとってその衝撃は計り知れなかった。

しかしプレイを見るにつれ、思春期ボーイであった私はGTAに惹かれた

「どこでもいける」「何だって出来る」       この自由度は、思春期ボーイにとってあまりに甘美であった。

 

ちょうど当時アニメ版が放送されていた「ダンガンロンパ」をプレイするために買ったPSPがあったので、やろうと思えばいつでもプレイ出来る環境であった。 かくして私は「バイスシティストーリーズ」をインターネットで購入し、プレイを重ねた。

そこにはまさに自由な世界が広がっていた 他の同級生がやっていたように、ストーリーは雑に読み進め、「チート」を使用し(GTAシリーズはチートがゲーム内に標準で搭載されている)、めちゃくちゃな遊び方をし…まあ満足した。

バイスシティストーリーズの経験はまあその程度であった メインは次だ

 

また別の友達の家に行き、いつものようにゲームをプレイして遊んでいた そこで見たもので、私は第2の核弾頭を食らうこととなる。

 

PS3で発売されていたGrand Theft Auto Vである。

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YouTube

(めちゃくちゃカッコイイトレイラー群)

 

そこにはVCSと比較して凄まじい進歩を遂げたGTAがあった。

実写と見間違うほどのグラフィック、街だけでなく高速道路・荒野なども含む広大すぎるほど広大なマップ、「映画のような」ムービーシーン、大量に用意された車・服などのカスタム性…

衝撃で完全にキレてしまった私は、間もなく中古のPS3とGTAVを購入する。 2014年の夏のことだ

 

なんと言ってもハマったのは同梱の「Grand Theft Auto Online」である

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プレイヤー間が殺し合いをすることもあれば(8割そうだったが)、平和的にドライブをしたり、車自慢をしたり、一緒に「仕事」をしたり、かと思いきや突然ぶち殺されたり…

正真正銘の自由度であった。 協力プレイで見ず知らずのフレンドを大量に作り、欲しい車や物件のために連日金稼ぎに勤しんだり、VCでの煽りに顔を真っ赤にして反撃したりした

インターネット上でも、「VC狩り」「他のプレイヤーに○○してみた」といった様々な動画が活発にアップロードされていた他、Wiki掲示板では自分の自慢のキャラクター・車の見せ合い・荒らしの晒し行為などが活発に行われ、1日に数百も書き込みがあったりと、界隈がまさしく盛り上がっており、またその雰囲気も楽しかった。 金を簡単に稼ぐことができるバグ技がわずか数時間で修正された際の混沌ぶりは笑いを誘った

現在はさておき、当時のGTAオンラインは間違いなく、自由で、楽しいゲームだったf:id:Mutifu:20190829203044j:image

(今年6月頃のプレイSTATS その後もちょくちょくプレイしているのでプレイ時間などはより増しているだろう)

 

が、ここで真に語るべきなのはGTAVのオフラインモード、ストーリーについてである

ストーリーは「成り上がりを目指す青年」フランクリン、「引退した元強盗」マイケル、「周りを引っ掻き回すイカれ野郎」トレバー の3人を中心に、豪快な犯罪アクションと世の中への風刺・皮肉をメインに演出した人間ドラマである

 

私は購入当初からオンラインにハマっていたため、多数のオンラインプレイヤーのようにストーリーに大して関心を持っていなかった

だがいざプレイしてゆくと、洋画的な派手な演出、登場人物様々な思惑が交わりつつテンポ良く進行するストーリー(テンポの部分が特に秀逸 ミッションにおけるストーリー展開に無駄がない)、そしてそこに込められたロマンと自由度に心酔することとなる

これこそがその後、洋ゲー、洋楽、洋画(特にアクション・サスペンス・クライムもの)にハマっていくきっかけである

私が今現在愛する「洋モノの良さ」はGTAVで全て培われたと言っても過言ではない

9年前の回想とマイケルの皮肉な「カウンセリング」から始まり、ご機嫌なポップスと共に展開されるオープニング

相棒であるラマーと、映画「パルプ・フィクション」のような無駄話をしながら強盗を働くフランクリン

強盗のために宝石店へと突入する際、セレブに銃を向けながら「その綺麗に整形された顔を汚させないでくれ」というキレキレなセリフを吐くマイケル

死んでいたと思われたマイケルの足跡を辿り、ロス・サントス(ロサンゼルスがモデル)にたどり着いた際、「ここが死者の蘇る街か、マイケル」と独り言ちるトレバー

どのシーンにもシビれさせられた  

 

これによって私が受けた刺激の結果が、タイトルの表す通りのことである

その後GTAシリーズの過去作を(見下ろしアクションである1,2,London,チャイナタウンウォーズを覗いて)ほぼ全てプレイし、その後は「Fallout」「メタルギアソリッド」「アサシンクリード」…など様々なゲームに手を出していく そもそもGTAがなければPS3を買うことも無く、今ゲームオタクとして生きているかも謎だ。

またGTAシリーズが影響を受けた映画(「スカーフェイス」「007」「ターミネーター2」等)をネットで調べることを契機に、洋画の界隈にも足を踏み入れる。

GTAのムービーは間違いなく様々な洋画をリスペクトしていて、アクションシーンなどは数々のアクション映画のいいとこ取りとも言える内容だが、私の場合は逆に「GTAみたいな映画を探す」という、GTAで義務教育を終えた男的価値観になっていたのである。

GTAのラジオで聴いたようなポップスを探して様々な音楽にも触れていった(特にVの「Los Santos Rock Radio」、VCの「FLASH FM」などは、その時代のポップスが揃う名曲揃い) Queenマイケル・ジャクソンなどといったスターや、その他様々なカルチャー(ストリートギャング、ハリウッド、移民等)GTAがなければ興味を抱いたかわからない。

 

思春期症候群からプレイに至ったGTAが、現在の私の趣味・趣向を間違いなく形作っている。

良いか悪いかはさっぱりわからないが、間違いなく、GTAは私の感性の形成において一端を担ったのだ ということを言いたいまでの記事であった。以上です。

 

最後に、GTAVにおける「決めゼリフ」を紹介して記事を終わろう

元強盗・マイケルは自分を死んだことにして強盗稼業を引退していたが、ある理由からそれを再開せざるを得なくなる。

その際に当時と同じセリフを使ってしまったことで、元仲間であるトレバーに、彼の生存を知らせることになる…という重要な伏線回収シーンだ。

 

 "You forget a thousand things every day, pal. Make sure this is one of them"

(人は日々多くのことを忘れるものだ このことも忘れるんだな)

 

これですわ…